2010 マン島TTレース(DVD)2011/05/29 12:17



2010年のマン島TTレースの様子をまとめたDVD

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前報 で悪口を書いたので、カウンター(?)を入れておく。

スーパースポーツを公道で思い切り使うというのは、どういうことか。
この辺りが一番近いだろう。
映像でキッチリ見ることができる。

公道なので、道は狭く、凸凹で、見通しも悪く、逃げ場がない。そんな箇所が、いくらでもある。
コースと言ったって、要はただ、地形と家屋の都合に応じて、それらを繋げただけの「ただの道」なので、コーナーの作りやRの設定も、スピードや技術、安全といった辺りを云々するようにはできていない。

しかし「レース」なので、参加車両は、ただひたすらスピード(タイム)「だけ」を目指した造りになっている。
公道用だろうが何だろうが、これが本来の「スーパースポーツバイク」の、素の姿だ。

これらを組み合わせると、どうなるか。

まず、コースの熟知が大前提になる。でないと、ブラインドコーナーに全力で突っ込んで行ったりはできない。行き過ぎたら、サドンデスだ。どこまで行けるか、その限界を把握した上で、それをいかに正確に反復できるか、の勝負になる。(というのは普通のサーキットレースと同じ。) つまり、いつ何があるかわからない公道ライドには、ここでのテクニックは参考にするのは難しい。(そのままマネしてもムダが多い。)

そういった状況で、タイムを出すには、どうするのか。
まず直線のスピードだ。スピードが乗る高速エリアがかなり長い。ここで差がついたら影響が大きい。いくらコーナーで根性を出した所で、リスクは上がるが挽回は難しいだろう。馬力、命。
コーナーも厳しい。道幅が狭いので、ライン取りでの工夫は効かない。ただひたすら、コースのRをなぞるだけの作業になる。「トラクションでコントロール」なんて余地はほとんどなくて、侵入のスピードと寝かしこみのタイミングで、あらかたが決まってしまう。だから、まず一生懸命にコースを憶える。あとはタイヤに金をかけて、ライバルよりもグリップの限界を上げておく。その程度しか、差別化の手がない。

スーパースポーツの棲み処とは、こんな所だ。
そして、これが、またはこれの「まがい物」が、我々が触れるスポーツバイクの正体なのだ。

良し悪しを言いたいのではない。
これが本当に「求めるもの」なら、それでいい。
そうでなくて、間違い勘違いは不幸だ。特にバイクの場合は、取り返しのつかない不幸になりかねない。だから、そういう可能性のある情報 (前報のような) には、くれぐれも注意した方がいい。そう思うのだ。


ところで、マン島TTには電動バイクのカテゴリがある。
TT Zero という。なんかカッコイイ。廃ガスゼロ、というだけの意味らしいが。
まだ基本構造は従来のエンジン車の流用で、動力源をモーターに替えただけ、という機体が多いのだが、清音一発「シュイーン・・」なんか走り去る様は、やはりなかなか真新しい。
参加数が少ないせいか、このDVDにも、収納されている映像の量としては、多くないのが残念だ。(すぐ終わっちゃう。3分ぽっち。)

もうひとつ。個人的には、ニーラーが見られるのがうれしい。
(最近、映像はめったに見なくなった。戯言だが、これの車載映像は、技術的、情緒的に絡み合った「何か」を、見せてくれているような気が、何となく、いつもするのだが・・。)

このDVDは、輸入品にキャプションを入れただけなので、全体的に抑揚がなく、平坦な作りだ。盛り上げを狙ったうざったい演出や、つまらない/間違った解説(宮城光のような)がなく、事実をただ淡々と伝えるスタイルは、本来のスポーツ中継ライクで好ましいと思うのだが。ちょっと眠くなるけど。


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マン島TTレース2010 [DVD]
なんか言ってる間に、今年のが出ちゃうんだよね。
確か開催は6月初めなので、今、ちょうどやってる最中か・・・。


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