冬の音楽 ~ 「 Sounds of Wood & Steel 2 」2012/02/04 07:33



冬の音楽といえば、ギターもいい。

スチール弦の、いわゆるフォークギター。
一本だけで爪弾く、インストルメンタル。
またはそれに近い、シンプルな構成。

暖炉の前でくつろぐイメージで、ゆったりと聴ける。
お手軽だが、たまに思い出して、聴きたくなる。


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数百円て・・。安っすいなあ・・。
Sounds of Wood & Steel 2

「 Laverda: Twin and Triple Repair and Tune-up Guide 」2012/02/05 06:08



Laverdaの整備本

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好評連載中(?)のラベルダだが。
今回は、整備関連の情報をまとめた本を取り上げる。

750ccツインと、その後の3気筒の二機種、つまり「大きい方」の、メカニズムと整備の詳細を紹介している。ヘインズの整備本よりも詳しくて親切、でも、いつぞや紹介した MOTO GUZZI の本 ほどは詳細でない、というレベル。実際に、機体を前に自分で手を動かそう、という方々だけでなく、手を出してしまった後に備えたい、という気の早い方にもお勧めである。

ここでは、ラベルダの機械的な構造を学び、評価する、という目的で取り上げてみる。

本書の内容だが、以下、適当にピックアップする。
(写真は順不同。)

まずは簡単なモデルヒストリーと、各モデルのスペックの紹介。

続いて、基本整備の情報。

オイルレベルチェック。シリンダーの背面にあるんだ・・。

次は、ディープな整備情報。

行くぜ、バランバラン!。
ツインのヘッドですが、カムの支持はボールベアリング。
中身まで、某CB72(77?)そっくり・・。

あちこちチェーンなので、マメな整備が要りそうな印象。

3気筒のヘッド周り。
ツインカム化と同時に、カムの支持はプレーンメタルに変わっている。

キャブ周りはこんな感じ。
おなじみの風景(?)デロルトなので。

3気筒のシリンダー構造。
外からは見えないが、カムチェーンはこの位置にある。

2気筒のクランク。組立て式で、支持はボールベアリング。

3気筒のクランク。構造は2気筒と同じ。
ちなみに、クランクケースは上下分割。これも、2/3気筒で同じ。

2気筒のフレーム。
エンジンを当てにしていない分、ベベルよりは強そうかな・・?。

3気筒のフレーム。オーソドックス。

あとは、電装周りの情報(配線図とか)が載っていて、本書は終わり。


ざっとまとめると。

構造としては、非常にコンベンショナルな印象。予想通り。
2気筒→3気筒で、実は基本はさほど変わっておらず、ツインカム化などフィーチャーはupdateしているものの、ほぼ発展形の域。これは少し意外。(もっと大規模に作り直したのかと思い込んでた。)

グッチと比べると。
機械としては、ちょっと頼りない感じ。これも予想通り。
構造は簡便、機構は古典的、だが乗った感じは全く違う。そこは少し、似ているかな?。(イタ車は大概そんなだが。)

あまり機械技術に達者な設計ではないように見える。
ということは、ラベルダの「情熱」は、機械的な、単純な仕組みから来るものではない、と思われる。
ではそれは何なのか、どこから来るのか、見分けるのが、次の課題となろう。

乗った感じの面白さは、多元的な要因が有機的に影響するので、構造(写真や図面)や、スペック(カムのタイミングとかキャブやジェット類の径とか)を眺めただけではわからない。察しはつくかもしれないが、要は「ただの想像」なので、実際には間違っていることがままある。(想像だけで、ウソを言っている人が多い。)逆に、機構やスペックがすごくても、乗って楽しいとは限らない例が、これまたがすごく多いことが、それを如実に証明している。

この本を眺めていて、ひどく印象に残るのは、写っていたのが、ひたすらに「愛されている」機体で、中まで、すんごくキレイだったことだ。(笑)

自分で、ここまでできるのかは、ちょっと微妙だ。
・・・というのは、よくわかった。


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Laverda: Twin and Triple Repair and Tune-up Guide, the New Green Book

バイクの本 ~ The Laverda Twins & Triples Bible2012/02/12 05:15

The Laverda Twins & Triples Bible: 650 & 750cc Twins - 1000 & 1200cc Triples


Laverda大型車種の解説本

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今週で、ラベルダの連載もおしまいにする。
最後に、一番 一般的な資料を取り上げたい。

この著者は、グッチやドカなど、同様の著書が多数あり、本書はその一つである。Mick先生や小関先生のように、記憶ベースの当時の噂と、スペックの数字で何かを語ろうとするのではなく、過去の資料を再度当たったり、当時の関係者に取材したり、実際に自分で乗ってみたりした上で、新たに記事を書き起こす。バイクが出た当時の情報や印象だけではなく、今の視点からの俯瞰も交えるスタイルだ。通論(風評?)と違うという意味で、悪く言えば独断だが、自力で真面目に書いているので、最も信頼に足る資料とも言える。

内容は、
・モデルヒストリー (レースのヒストリも少々)
・各モデルの開発の経緯や、スペックの詳細
・関係者(経営者、設計者、販売者やユーザー)の意図、意向、意見など
・近年に撮ったものとおぼしき、美しいカラー写真

どんな状況下で、誰がどういうつもりで何を造って、結果、どうだったか。今、Laverdaの全体をざっくり見渡したいなら、この本が一番便利だと思う。

ただし、取り上げているのは750ccツインと3気筒の旗艦モデルだけで、500ccのミドルツインは含まれない。

目次

全150ページ程度だが、扱いを2気筒/3気筒に絞っているので、内容は充実している。ちょいとひと手間かければ、ありがちな30分番組の1クールも作れようか、という内容だ。(笑) 雑誌界で悪用されないで済んでいるのは、ラベルダの、市場でのパイの小ささ故だろう。

アスペクトが豊富なので、読者自身の視点次第で、いろんな読み方ができる本でもある。

・開発物語として
なぜホンダをパクったか、クランクが180→120度に変わったのはなぜか・・。開発者の移り変わりと、その背景、影響などを読み解く。

・経営の物語として
イタリアの、個人経営の小さなメーカーが、日本車の怒涛の構成に対し、どう勝負してきたか。

・年式・型式調査
自分が買おうとしているのが、何年式のどのモデルなのかを調べたい人。

・パラパラめくって写真を眺める
やっぱSFCはカッコいいよね~と。(笑)
昔のバイクはスリムでよかったなあ・・・。
(当時の「カッコよさ」のエレメントをよく体現している、と言っているだけで、評価誘導の意図はありませんし、お勧めしている訳でもありませんので。)

さて。
ラベルダの「本当」や「意図」について、こうだ!のような物言いは、結局はできなかったが。
(乗った経験がないので当然。)
もし、ラベルダの本当をご存知の方がいらしたら、ぜひ情報を発信して欲しい。(コメント欄にでも、何かいただければ僥倖です。)


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為替相場のせいか、Amazonがお腹すかせているのか、最近、価格の上下が大きいようだ。本書がそうなのかは凝視していないのでわからないが、洋書はしばらくウオッチして、底値を狙うのが吉かもしれない。
The Laverda Twins & Triples Bible: 650 & 750cc Twins - 1000 & 1200cc Triples

Laverda関係では、他にMick Walker先生の資料もあるのだが、この人の著作は「通り一遍でウソもあり」が多いので、よほど困ったとき(?)意外はお勧めしない。