バイクの本 ~ 「 蛙とBIKEとヨーロッパ 」2012/05/20 06:13



ヨーロッパツーリングや旧車の乗り方などを紹介する

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先週、マン島TTの話に触れたが。
TTで、いつも思い出すことがある。

学生の頃、友人が英国へ旅行に行ったのだが、そのお土産に、本場マン島のバッジをくれた。
(以来、それは私の宝物の一つになっているのだが・・・。)

彼は、TTを見に行ったわけではない。
でも、実地にそこに行った、というのが、とてもとても羨ましかったのを憶えている。

TTに行きたい・・・。

・・・そういえば、「ヨーロッパをツーリングするには」のようなノウハウを描いたマンガがあったよなあ、と本棚を探すこと数分。

あったあった。

Mr.Bike '90年1月号別冊、とある。

何せ、ネットが普及する遥か前の話だ。
旅行代理店の微妙な好意と、びびりながら書く英語のエアメールやなんかで、始まる物語である。

手紙のやり取りに何週間、というカッタルイ世界なのだが、不思議と不便な感じはしなくて、何だかちょっとリスキー、でもわくわくしてしまうのは、私が歳だから、なのかもしれないが。(冒険、てヤツね・・・。)

本の方は、英独仏伊の4カ国を「走るための手順」と、「実際に走ってみるとこんな感じ」を、端的に伝えてくれている。実際に欧州を走ることを念頭にしている人だけでなく、何となく興味を感じているだけの人も楽しめる作りになっている。「ああ、ヨーロッパを走るって、そんな感じなんだあああ」と、若かりしワタクシメも思った記憶がある。

まあ、今の目で見てしまうと、「生水は飲まずにミネラルウオーターを」といったような、その辺に落ちてる or もろ既知の類も多いので、今、役立つ情報では全くない。

ツーリングの話の後に、旧車の話や、こだわりグッズの話も載っているのだが、今ならネット検索でイッパツだ。

まあそんな具合なので、ネットに慣れた今の人に見せたら、一笑に付されれしまうだろう内容ではある。

ただ、私はこれを久しぶりに見て、妙に懐かしかった。

知らない所へバイクで行くのが、すごく楽しかった。そんな頃の感覚が、少しだけだが、甦った気がした。

今の方がいろいろ便利で、バイクの性能も良いのだが。あの頃のように、夢中でバイクに乗っているわけではないし、夢中で乗っている人も見かけない気がする。若い人も含めて。

最近、バイク屋を見ていて思うのだが、破天荒だった(笑)80年代辺りの機体が意外と生き残っている一方、新型の市場は、さほど動いていないように見える。
新規の乗り手は減っているだろうから、これは、ベテランが、新型ではなく、「昔良かったアレ」に回帰している、ということだろうか。

それは、我々が耳年増になったせいなのだろうか。
それとも、我々の耳目を塞いでいる情報や、「新しいモノ」そのものが、何かを持っていなかったり、無視したりしているせいなのだろうか。

・・・と、遠い目をしっぱなしの、懐かしい本なのであった。


Amazonですが・・・
ありません!

中山蛙さんの著書は、ネットや図書館など、どこを検索してみても、カメラのライカの関連がちょろっと出てくるだけで。絶滅されているようですな。(某G誌あたりの宣伝をやりすぎたせいだろうか・・・。)

独特の絵と、なじみやすいセリフ回しで、面白い作家さんだと思うのだが。

先日の、 堀ひろ子さん あたり もそうだが、バイク関連の書籍の生存率は、なかなか低くて残念だ。

機体の方は、古くても評価が高ければ、それなりに生き残っているのにね。


コメント

_ moped ― 2012/05/20 09:31

まいどです。

ノウハウの歴史(現在に適用できない点を含むということ)として観るには、
面白そうな本ですね。

>最近、バイク屋を見ていて思うのだが、破天荒だった(笑)80年代辺りの機体が意外と生き残っている一方、新型の市場は、さほど動いていないように見える。

「破天荒」は、最も的確な表現です。(笑)

ターゲットを絞って尖ったものもあれば、トータルバランスを狙ったもの、
メカに凝ったもの(しかも故障し易い 笑)、などなどバラエティ豊かでした。

いまでも生き残っているのは、ハードウェアの基本的な耐久性が高く、
部品供給が確保されたものです。
もちろん、乗り続けられる魅力があるのが、前提です。

だとすれば、いまのオートバイに魅力を感じないのは、
すべてが実用車ライク(サーキット向きのマシンを含む)になってきて、
「走って楽しい」という感性に訴えるものが判らない、
伝わってこないからなんでしょう。

_ ombra ― 2012/05/20 19:17

毎度どうもです!

「実用車ライク」とは、これまた的確ですね~。

レーシングドライバー/ライダーが、楽しみでレーサーに乗っているワケないですしね。あれは、勝てる道具でありさえすればいいので。

といったような路線の延長を、優れたものと妄信する(させる?)傾向は、否めないように思いますね相変わらず。

スピード一辺倒じゃなくて、楽しみで乗ってもらえるのを出しました!という新型車を一目見て、「コレ、仕事車じゃん・・?」とつぶやいた知人がいましたが。言いえて妙とも・・。

カメラの世界では、「プロ機」というホメ言葉があるようですが。同じ理屈で行くと、一番いいクルマはタクシーになっちゃいますしね。

寂しすぎです! (笑)

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