80年代のバイクの本(15) 風のように、少年のように、他2015/05/31 06:42



●  グッバイ!タンデムシート

以前取り上げた。(上は過去のエントリーへのリンク。)


● バイク基本チューニング

1988年2月

この著者は以前に  バイク整備ハンドブック で取り上げた。
今回も同じような内容のようだ。


● 風のように、少年のように―風間深志と10人の野性児(おとこ)たち (Honda bike forum)


1988年2月 定価¥980

1986年の1年間、ホンダウエルカムプラザで行われた、風間深志との公開対談を文字化したものだそうだ。対談相手は、宇崎竜童、根津甚八、野田知佑、清水国明、椎名誠、C・W・ニコル、中村征夫、後藤新弥、高橋伴明、蜷川幸雄。

正直、あまり面白くなかった。
いろいろ一家言ある方々ではあるし、バイクにも馴染みがあるから、素っとん狂なお話はないのだが、バイクに対して真面目に取り組んでいる感じがあまりなくて、当たり障りのない、表層だけをなでている感じ。だからだろうか、この人たちから意見を聞いてもしょうがないなと、そんな気がしてしまって、読む方にもあまり力が入らない。

有名人の雑談という意味では、別にバイクを語らなくてもいいんじゃないかとも思うが、この本から「バイク」という枠を外してしまうと、ホンダもフーマも意味がなくなってバラけちゃうから、本の企画としては成り立たない。何だか微妙な感じだ。

そろCBSソニー出版もネタ切れだったのかなと。


●  バイクひとり旅

1988年6月

以前取り上げた。(上は過去のエントリーへのリンク。)


● バイクパラダイス―イン・マイ・ハート


1988年8月 定価\1200

題名から、どんな内容だろうと思ったんだが。
別モ誌の連載していたコラムのおまとめだそうだ。

バイカーズステーション誌でも、自転車がらみのコラムを連載していた方だとか。でも、この本の表題の「バイク」は自転車のことではなくて、エンジン付きの方である。(自転車の方の著書も、たくさんお持ちらしいが。)

内容は本当にただのコラムで、昔の思い出、考えたこと感じたこと、意見や提言やお小言なんかが、2~3ページの分量プラスかわいい(?表紙参照)イラストで構成されている。

80年代に、既にバイクの技術的な「行き過ぎ」に文句を言っているくらいなので、身の丈と言うか、普通レベルの中にキラリと光る類がお好みのセンスをお持ちのようだ。その意味では、なかなか共感はできるのだが。まあ、月に1回読むくらいならいいかなあと思うのだが。一冊続けてとなると、正直、飽きました。

古本屋で見かけたらちょっと読んで、気に入ったら買ってみて。
読み飽きたら、また元の古本屋に戻す→次の人どうぞ。
そんな読み方が、順当かと。


● バイクとキウィたち


1988年8月 定価¥1200

ツーリングを含む、ニュージーランドの旅行記である。
(表題の「キウイ」というのは、ニュージーランド人のこと。)

著者は、ちょっと変わった人のようで、日本人だが、日本が嫌い。人ごみは無論、人づきあいも嫌い。1947年の生まれで、大学の工学部を中退後、フォークシンガーとして各地で歌った後、80年代初頭に、ニュージーランドに嫁いだ姉を訪ねて、当地をしばらく旅していたと、そんなことのようだ。この本の当時、ゴーグル誌などにも連載を持っていたとある。

若さの勢いで海外に出た類の人ではないから、だろうか。
文章は、しごく落ち着いている。

ちょっと、変わった文章だ。
目に映るもの、感じたこと、それをそのまま、つらっと書く。
そんな文章が、つらつら続く。

何となく、夏の浜辺で、まぶしさを感じながら、半ば無意識に、波の行き来を眺めている、そんなような雰囲気の、現実感の文章。(無論、寒い季節の描写もあるのだが。)

ぼーっと風景を眺めているような文章なので。
じっくり読んでも仕方ないな、と読み飛ばし始めるのだが。
読み飛ばすのにも飽きてしまい、
気がつくと、いつのまにか、
また「ぼーっと風景を見る」ペースに戻って、読んでいる。
そんな文章。

当時のニュージーランドは、鉱工業(アルミニウムの輸出とか)、林業(木材の輸出)、漁業などで細々と暮らす国で、旅してみると、あまり多くない観光地以外は、なかなかの寂れ具合をさらす、ひどく人口密度の低い風景が見られたようだ。

著者いわく、ニュージーランド人は、「理屈っぽくて、屈託がなくて、大雑把。ぐうたらで、気取りがなくて、素朴。」

そこをブラッと旅しては、行き会うニュージーランド人や観光客なんかと、酔っ払った挙句にズケズケ物を言い合ったりするのは、いちいち予定調和を求められる祖国のせせこましい人づきあいとは違って、著者にとっては、大変に居やすかったようだ。

とはいえ、「あの時感じたこれは、次に行ってみた時はもう感じなかった」みたいな文がつらつら続くだけなので。たとえ懸命に文字を追っても、得られるものもなければ、読後感も残らない。

海外ツーリング記に特有の力み感(←読んでて疲れる)が、ほとんど無いのは特徴的だ。時代が、ロックやブルースから、フォークやポップスに移っていた、とそんな感じか。

要は、やっぱり「暇つぶし」なのだが。
まあ、それにしては悪くないな、と。

全然関係ないのだが。
以前、「全てを自力でやろうとする」のはニュージーランド人が多いな、 と書いたのだが。
何となく、想像がついた。

「一番のご近所がクルマで何十分」なんて距離感で暮らしていれば、粗方を一人でできないと、生きて行けない。
そんな事情が効いているんじゃなかろうか。(邪推)


● ハーレーダビッドソン80年史

1988年12月

永遠のムック本ですな。
スルーします。(笑)


● バイクトラブル一本勝負―バイクに初めて乗る時に読む本

1989年3月

近田茂さんの本です。
それだけです。(笑) スルーします。


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