「 Laverda 500 Twins 1977-1983: Road Test Portfolio 」2012/01/29 07:15



ラベルダ500ccモデルの、欧米雑誌インプレ記事の過去ログ集

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さて。
日本では誰も知らない(?)「ミドル・ラベルダ」の話をしよう。

先週に続き、ラベルダだ。
日本は狭い、旗艦モデルよりミドルクラスの方が楽しめる、といったことを書いたが、その「見栄や優越感以外の、実質で楽しめそうな」クラス、かつラベルダ、という路線で続けてみる。

かつての「情報欠乏時代」とは違って、今やこんなレアな文献まで、お気軽に、しかも安く!手に入れられるようになった。
とはいえ、やはりSFCやイオタのような、リッタークラスの兄貴分と違って、ハーフリッター辺りの弟分は、扱いは薄いのが一般だ。これまで、情報はほとんど無かった。ラベルダを扱った本の、最後の方に少し触れられている程度で、その薄い記事から、何か読み取ろうと目を凝らすしかなかったのだ。

ミドルラベルダで一冊とは、随分思い切った本だが。出版されたのは、つい最近。落穂拾い的な書籍とも言える。

表紙から笑える。よく言えば「カフェレーサー」、悪く言えば「族車」(笑)という、あの時代の微妙なフォルムだ。

目次です。(Clickで拡大)

初めはこれでした。1977年ごろ。実直な感じですな。

田園での試乗風景。

えらい寝てるけど。ハンドリングが素晴らしいからか、それともテストライダーが無闇に頑張っちゃった?。(ちと怖い・・。)

このモデル。このまま、可もなく不可もなく、な平凡な人生を送って終わり・・・ではなくて。 グレて・・・もとい、化けてしまう。

「モンジュイ」というと、Ducati F1 の派生モデルの方と思われる方も多かと思うが。こっちの方が先輩だ。

スペック表。(Clickで拡大)

ストリップは、こんな感じ。

かなり「尖んがった」仕様の故、以後、話題の提供者となる。

当時、ドカティにもパラ2があったので、「対決」記事とか。

3メーカー対決とか。
いわく、
・LAVERDA Montjuic
 A Ride on the Wild Side. 「イッちゃったアナタに」
・MOTO MORINI Maestro 500
 The Thinking Man's Cafe Racer. 「向き合いたい貴方に」
・DUCATI PANTAH
 Mountain Madness. 「山の仙人向け」
Monzaがないのは寂しい・・・1980年の記事だから、同期のはずだが。V50はあったはずだし。

いい感じのモンジュイ、その1。
ディスパッチ風。

その2。尻依存な、いい感じで寝てます。

行き過ぎのモンジュイ(笑)。SFCイメージ?。

キャプションつきで説明。

この寝かたはサーキットですな。前輪まで良く使ってる。

実は裏表紙のアップ。

インプレの内容だが、二分される。
「普段使いなんてムリ、壊れる、ひどい目にあった」
「壊れない、面白い、ずっと乗っていたい/乗っている」

同じ車種の評価に、こういったそごが混在する場合、
・「壊れる」という人の、扱い方や維持整備などに問題があったのか?
・品質がバラついていて、「壊れない」という人が「当たり」だったのか?
オーナーの許容度の問題なのか、モノの品質なのか・・・真実を見分けるのは難しい。

その難しさはそのまま、皆さんが手を出そうとする時の課題となる。程度の見分けとか、メンテや維持ができるかの見通しとか、多方面の見極めと判断を強いるのだ。何せマイナーな車種、下手するとカモネギだ。

しかし、「好きな人は好き」の世界でもあり、例えば、先週取りあげた
本の著者 も、実はオーナーだったりする。
こういう、一見おとなしそうな人に限って、過激なのが好きだったりするんだよね・・。(笑)

好きが高じて(?)、サイトを作っちゃった人もいる。(人のこと言えないけど。)
Laverda500.cc


ミドル・ラベルダの日本での稼働状況だが、私も実働状態は見たことがないし、上陸しているのかすら、よくわからない。
実動状態はYouTubeくらいでしか見れないので、実際の所どんなモノなのか、実情もわからない。
いずれにせよ、関わるには、いろんな意味での「強さ」が必要だろう。(財布、意思、運・・。)

特に、意志の強さは要りそうだ。
なにせ、「スピードが意思」だったころの、末裔なので。


こういう臭いがするモデルは、最近はもう、見かけない。
息絶えてからしばらく経つし、復活の兆しも全く無い。
手軽で安い新型は、何らかの前向きな意思の賜物ではなく、コストダウンの産物らしいし。

だが、この時代の「使い古し」となったら、走り出す前に、意思もカネも尽きかねない。

「見栄や優越感以外の、実質で楽しめそうな」解は、まだまだ難しそうだ。


Amazonはこちら
Laverda 500 Twins 1977-1983: Road Test Portfolio

同類の「過去ログ集」は他にもあるので、ついでに紹介しておく。
他に3点ある。

SFC辺りまで
Laverda Gold Portfolio 1967-1977
上の続編。
Laverda Performance Portfolio 1978-1988
イオタ特集
Laverda Jota Performance Portfolio 1976-1985 (Performance Portfolio Series)
イオタに特化したい方は、最後のが良さそうだ。


コメント

_ moped ― 2012/01/29 17:50

まいどです。

先週に引き続き、ラベルダで、楽しく読まさせてもらいました。
マシンだけでなく、旧いAGVも懐かしいものばかりです。
(当時は高価で、全く手が出ませんでしたが)

私も、ツインのラベルダは、現物を見たことがないのです。

機械の信頼性はともかく(笑)、ラベルダのツインは、
実用とスポーツライドを両立できるマシンと感じます。

日本製ではこういうモデルは少ないですね。
排気量が近くて、同じツインを積む、GSX250Eや、GSX400Tに
アーキテクチャは近そうです。

当時の日本は、当局の目が厳しいころですから、
カウルや、セパレートハンドルなど、気の利いた装備は少ないですし、
4気筒信仰、パワー信仰がありましたから、ツインでこういうマシンが
出るのは、90年代になってからです。

YouTubeでラベルダを検索すると、トリプルよりもツインの方が多いのは、
人気がある証拠と考えるべきなんでしょうね。
(販売期間もありますが)

_ ombra ― 2012/02/04 08:48

毎度コメありがとうございます。

記憶ベースですが、この当時のラインナップは、上級・大排気量モデルは多気筒、ミドルは並列ツイン、という例が結構あったと思います。ホークやGSの辺りが同期ですよね確か。フレーム構成など、アーキテクチャも似通っていたように思います。その意味で、このミドルラベルダも、当初はパッと見が多少アカ抜けている程度で、あまり真新しい感じはしなかったのではと思います。

違うなあと思うのは、この「イッちゃった」感じで、当時の日本車が、ご指摘の「当局の意向」もあってか、ミドルはこれで十分、と口ではいいながら、何となく躊躇を感じさせるモノ作りをしていたように思います。ラベルダは、その辺りを完全にブチ抜けて、ミドルクラスでも「イッちゃえる」ことを実際に証明した。そこは偉かったなあ、と思います。

日本車はこの後、違う方向にイッちゃって、FX、CBX、XJ・・・とミドルでも4気筒が主流になって行きますが、エンジンの回転感はスムーズなものの、回転馬力なので右手イッパツのキックは弱まるし、車体も大きく重くなるので、公道レベルで遊べるダイレクト感は、かえって薄まったのではないかと思います。

ラベルダ・モンジュイのオーナーは、そんな乖離を横目に、自分の機体への愛着を深めて行った・・・のかもしれません。

たぶん、ラベルダに比べて、ホークやGSを大事に乗り続けている人なんて、圧倒的に少ないでしょう。何か、欲しかったものと、与えられてきたものが、違ったんだと思うんです。その差が何か、明確に形にできれば、今のモノ作りの閉塞感も、少しは破れそうな気がするのですが。

まあ、それを知っているから、私らはあれに乗っているんですけどね。(笑)

違いはわかるのに、自分では形にできない。
ちゃんと伝えられているのかも怪しい。
その辺りが、ちと悔しいです。(笑)

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