バイクのビデオ 「Enjoy Your Riding」2014/06/29 05:15



先日、会社の人と呑んだ時。
普段は、バイクの話などはしない人なのだが。
珍しく、その手の話になった。

若い頃、GPz400を買って、マフラーやら何やらいろいろいじったのだが、いじる度に遅くなって、ムカついて捨てたよ、てな昔話や。

で、今また乗るとしたら?となって、
「林道がいいな」と。

普段、スキーやゴルフなんかの屋外スポーツや、キャンプ系のアウトドアなんかに親しんでいたりすると、林道~オフロードというのは、心理的な距離感が近いのかもしれない。それに、何せそろそろ歳なので、人ごみと一緒にヤンヤというのは、どちらかというと、もう避けたくて。できれば、自然の中でゆ~ったりとか、そっちの方に行きがち、というのもある。

最近の林道がどうなっているのか、よく知らない。
地方の景気を考えると、林道の維持に手が回っているとは思えないし、それをバイクに開放してくれる余裕が残っているのかは、もっとあやしいのだろう。

ハードの方も、昔、2stの元気のいいオフ車がたくさんあった頃とは違って、今のオフ車って、何だか微妙なのが多い。(250ccクラスは、オンロードスポーツ車も、アジアちっくな安いのにすげ替わっていて、オフ車に限らず、みんな微妙なんだけど。)

でも、3ケタ県道なんかをツーリングしていると、おや?そんな細っそい側道に入ってくの?というオフ車を見かけたりするので。「通」は、今でもそれなりに楽しんでいるのかも知れない。

オフ車も、500~600ccになれば、大概はシングルで車重が軽くて扱い易い。エンジンにも余裕があって、瞬発力もあるから、オンオフ問わずに、使えるステージがグンと広がる。ネガといえば、スピードが出ないことと、長距離は尻が痛くなること等々だが、もうそんなにスピードは出さないし、尻が抜けるほど足を伸ばす頻度もそうは無いとなれば、当然、射程に入ってくる。

500~600ccのオフ車というと、私は、このビデオを思い出す。
(実際、後々に何台かに乗る羽目になった。)

雑誌ライダースクラブの元祖が、まだご存命だった頃に出していた、映像ソフトである。

私は当時、LDを買ったのだが。
何年か前に、DVDにサルベージしていた。
それを引っ張り出して、見てみた。

タカズミとネモケンが、ヨーロッパの山道をバイクで走る映像でもって、彼の地の二輪文化と、バイクの本当の楽しみ方についてウンチクをたれる・・・といった内容だ。

なにせ、古いソフトなので。
「まるで、官庁の教育ビデオみたいだ」とは知人の評だが。
今、見ると、全くその通りで。抑揚の無い、淡々とした作りだ。
(あのネモケンのブツクサ語りが・・・眠くなる・・・。)

内容は、大きく2つに分かれる。

まず、db-1で、リミニの山を走り回る。
次に、XLR600なんかのオフ車で、トレッキングに。

(db-1の方は、YouTubeにアップしている人が居たので見られるかと思う。後半のは、私は見つけられなかった。)

車載カメラ。ネモケンが後ろからタカズミを撮っている。
何せ、当時の機材なので、映像はショボイのだが。よくやってたなと。

この、内側のヒザが出っ張る角度は、今は無いよね…。
(えらいバックステップ、かつシートが低いから。昔のスポーツバイクは、イスが低かったのだ。)

コスチュームは、白青ロスマンズの頃。db-1と全然合いませんな。

二人とも若くて。何だか笑える。
 ↓ いつも偉そう   ↘ 胃腸悪そう

ここから、話がちょっと変わって。
ネモケンがVFR、タカズミがXLRで、山道に遊びに行く。

一応、攻めてみせるネモケン。さすがにお上手。

でも、XLRに全然かなわないの図。
 ↓ ゆるい      ↘ なにげに必死だが

そりゃね。こんな、つづら折れなのでね。大型スポーツはお呼びじゃない。

峠のカフェでお茶。
日本のように、みやげ物なんかがなくて不便(?)かもしれないが。
不条理に混むこともないので。時間がゆっくり過ぎる感じ。静か。

もうVFRはいいよね、となって。二人ともXLRで山へ。

山ったって、ホンマモンの山だ。こんな稜線を走るのだ。
これは気持ち良さそう!。
そういえば、欧州ツーリングのパックツアーみたいのが、ようけ出始めたのって、この後のような気がする・・・。

あっ。
(このスタッフで、ヘリ飛ばして空撮までして。
そんな散財してるから、店がツブれちゃうんだよね・・・。)

いわく、
db-1のようなコーナーマシンは欧州でも特殊で限られた人しか乗らない、
VFRのようなスーパースポーツで高速をブッ飛ばすのも同じ、
もっと気軽な、こんなトレッキングのような楽しみ方をするのが普通だし、
そのための環境も整っている・・・

憧れのバイクを買うことだけで喜んでいる日本人は遅れている、とも。
(今の、物欲至上主義のA出版ライダースからは考えられん言動で笑える。この頃は、まだみんな伝えることに真面目で、アツかったのだ・・・。)

当時の私は、この「欧州の人口密度の低さ」に、強い印象を受けた。
日本は、どこに行ってもゴチャゴチャと人がいて、しかもなぜか、何かを奪い合うような挙動をしていることが多い。もう少し、隣人との距離があれば、互いを許す心理的な余裕が持てるようになるのかな・・・と。

ここ数年、日本の人口は減っているそうだから、この調子でうまくいけば、ヨーロッパのように、ゆったりとバイクを楽しめるようになる・・・のかな?。(なるとしても、私がとっくに死んだ後だろうけど。)

このビデオから、もう何十年も経ったているが、作り手も乗り手も、意識はあんまり変わってないようだし(むしろ劣化してる?)、環境の方も、高速の二人乗りとか、少~しは良くなったかな?て程度で。こんな、欧州の「楽しんでます感」からは、程遠いようだ。

話は変わって。
先日、久しぶりに、本屋の雑誌売り場を覗いてみたのだが。
驚いた。リターンライダー向けの雑誌が、えらい数出ている。

年かさ向けの本屋だったのか。本屋に行って紙の本に手を出すのは、もはや年かさだけなのか。よくわからないのだが・・・。

一応、年かさである私は、名指しされたような気がしたので。
幾つか、めくってみた。
・・・んだが。えらく稚拙なのもあって。
(50代がターゲットなのに、「任意保険に入りましょう」って・・・。)
あとは、ツーリングコース紹介@ありえない美しすぎる写真、とか。
例によって、バイクや用品、店などのオススメ、とか。

あのなあ。いくらなんでも、これはナメてないかえ?
(内容は、上手く見えるハーレーの押し方、とかそんなだった。)


ネットのニュースで、返り咲きオジサマライダーの事故急増、とあった。その手の修羅場は、とっくに過ぎたはずの年齢なのだから、乗る本人がまず、自覚すべきなのだとは思うし、リターンではない、ずっと居たオッサンライダーとしては、事故が増えた反動で規制強化~なんてトバッチリを、今さら受けたくないなあ、とも思う。

しかし、この状況を鑑みるに、リターンライダーが置かれた環境というのは、彼らが「初めに降りた頃」と、さして変わっていなくて。バイクを、人生を楽しもうなんて、ハンパなオフ車もどきを今さら探した所で、BMWやKTMのボトムレンジあたりで散財するのが、精々のような気がする。

本当は逆で、オジサマライダーたちは、年齢なりの熟成した判断力で望むべきだし、環境についても、自分達が主体的に変える側の立場に居るはずなのだ。「バイクで人生を楽しむ」なんてポエムに騙されて、いろいろカモられる場合じゃないんだが。

何でだろうね、オジサマって、意外とポエムに弱いらしい。物欲しそうなオジサマ、多いしね。(かく言う私も自信が無いが。ポエムを書いているつもりはないんだけど。てかグチか。)


さて、話を、元のビデオに戻しまして。
Amazonは・・・
ないですね。やっぱり。
この内容じゃ、再販もムリ?

※ ご覧になりたい方、DVDを貸しますので。コメント欄にでもカキコ下さい。


コメント

_ BX-RS ― 2014/06/29 23:26

書き込みは2回目になります。

昔は自転車で林道を走っていましたが、日本人は林道でも奪い合いをしていました。
バイクは減りましたが、走る人と歩く人が増えたので今の方がそれは激しいかもしれませんね。

最近、バイクで林道を走るようになりましたが肩身の狭い思いをするのが嫌で人口密度の低い都道府県まで高速で行く事が多いです。(割引率か変わるのが痛い)
行った先でのびのび出来ているか?と問われると微妙ですが(笑)

そうなると350cc超え500cc未満のシングル4stがいいと思うのですが、あまり選択肢がありません。
もっとオフロードの宣伝をしてもいいと思うのですが、基本的に汗と泥と怪我の世界(カッコ悪い!)ですから入門しても根付く人がどれだけいるのか疑問ですね。

私の世代は実物より画面の中の刺激で育ったので、なんというか、立派なイメージをだけを普通に持っています。
私の業界でも買い手のイメージを、疲弊した売り手が必至で追いかけているみたいで切ないです。
そんな人間から見るとハーレーというイメージは加速させ続ける必要が無さそうなのでちょっと羨ましいと思います。

どうでもいいですがハーレーと富士登山って似たような香りがします。

_ ombra ― 2014/07/01 06:11

あっ、こんちは。
どうもです。 <(_ _*)>

そうですか。林道も世知辛いようですね。

以前は(今もかも知れませんが)、トレッキングより「攻める」方々が主流派で、地元にしてみれば「荒らされる」感じで嫌がられてるような所がありました。

なので、セローなんかのトコトコ系が反動として一瞬、光ったように思いますが。何せキャパが少な過ぎて、山まで行くだけで疲弊してしまうので。マジョリティにはならなかったようです。

反面、往復が楽な大きな排気量だと、日本の狭い林道では持て余してしまったり。(パリダカ系は更なり。) もともと、バイクで走って丁度よい道幅と距離の林道って、探さないと無い感じでしたし。

で結局、そういう地の利の近くに住んでいる人が、125ccくらいの気軽なので、たまに遊びに行くって感じのTiny & Cosy なのが、落とし所になっていたような気がします。

あとは競技系でしょうかね。モトクロスやエンデューロ、若者は罰ゲーム(X-Games)、ジジイは旧車クロス。

汗と泥と怪我の世界は、私はカッコイイと思いますし、環境が整えば、十分にアピールできるステージなるんじゃないでしょうか。でも、環境整備はいろいろと面倒で、特に場所の確保は、一度、トライアルでその手の動きか出たように思いますが。もう沈静化して、久しい気がします。日本のバイクメーカーは、(オフに限らず)場所の確保なんかについては伝統的に及び腰で(売ったら商売終りというスタンス)、全くあてにできませんし。

ハーレーですけど。
乗ってみると分かりますが、ハンドリングは癖が無く素直そのもの、車重も車格も大きいので、ただ淡々と走るだけの単能機です。最近のは作りも良くて、音や振動は実は演技で、昔の男気のイメージは、とっくの昔に形骸化してます。そもそも、バイクがカッコいいかと、乗ってる人間がカッコよさには、何の相関もありませんので(笑)。あれに乗りたいと思うこと自体、一種の錯覚なのですが。その錯覚を覚まさないように、クラブやイベントで盛り上げる。良くできてます。

これ、売る側にすれば「騙す」に近い行為だと思うんですけど、止めるどころかもっとアゲて、次々と買い換えてもらえ、脱落者より多くの新人を引き込め。そのせいですかね、最近の、こぎれいなハーレー店あたりの若い店員って、突然かかってくる勧誘の電話みたいな喋り方をするのが、よくいます。あれも切ない。

「既にある権威」だからと、行ってみると何だか人ばっかりで・・・って辺りは、確かに富士登山?かもしれません。

「ハーレーや富士登山」な人々に混じって、山の自然をゆるりと楽しむというのは、やっぱり、難しそうですね。数(人口密度)では無くて質(文化)の問題となると、日本では、変わるべくもないのでしょうか。ううむ残念、いや無念・・・。

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