コメント

_ ねこまる ― 2016/06/23 19:37

はじめまして、猫丸です、私いまバイクの力学について勉強しておりまして
特に、バンキングにいたるまでの力のつりあいがわからなくてこまっております
ラインディングの科学やタイヤの科学とラインディングの極意、モーターサイクルの技術と設計などを呼んでも、そこはあまりつっこまれて表現されておらず、
ライダーかバイク自体かが逆操舵をおこすことでアウト側にCfを発生させ加速度をもち遠心力がインに発生転倒モーメントを作りだすということまでしか理解できていません、
そこで、きになっているのが現代ラインディングにおいて特徴てきなコーナーにはいるまでの、インにライダーの重心を移動させた状態でのブレーキングです
ブレーキを握っている間は直進手いるにもかかわらず、リリースしていくと
楽にバンキングができる理由はいったいなんなんでしょうか?
motercycle dynamics とかで、そこらへん詳しく紹介されていませんでしょうか?(私英語が読めませんので手をだせていません

_ ombra ― 2016/06/26 21:59

猫丸さん
いらっしゃいませ。 <(_ _*)>

ずいぶん難しいことをお考えなんですね。

「モーターサイクルの設計と技術」をご覧になったのでしたらお分かりかと思いますが、一般に、バイクの挙動モデルというのは、えらく大雑把なものです。motorcycle dynamics も基本は同じで、やたら細かくいろんな要素をごまかさずに入れようと最大限の努力はしていて、細部では参考になるものの、網羅できている範囲は限定されているという意味では同じです。

お尋ねの、「前輪の切れ方の、車体の挙動に対する影響」ですが、
 ・ 前輪が切れる
 ・ 車体側(ステアリングヘッドから後側)がロールする
 ・ 動バランス(前後輪の荷重、コーナリングフォースなど)が変わる
の3つの相互作用なので、力学モデルでクリアに説明するのは難しいように思います。

というのは、私が既に老いていて、「わかってなくてもできりゃいいや」という体質になってしまっているせいかもしれませんが。(笑)

以下、ご参考になるかは分かりませんが、いささか感覚的な所も含めて、説明を試みます。

その1
バイクの前輪は、荷重をかけると切れ角が減る方向(直進側)に回ります。これはもう端から見ていてもハッキリと分かる量で、私も乗っている最中に、ブレーキをリリースして前輪のストレスを抜いてやるとスッと前輪が切れて、車体が安心して曲がり出すように感じることがよくあります。

これは、握りゴケの時の挙動が反証になるかもしれません。握りゴケの寸前には、前輪がカックンと内側に切れ込みますが、あれは、前輪がグリップを失って荷重が抜けたことで、切れ角がバンク角相応の静的なバランスポイントに向かった故だと考えることもできるでしょう。

前輪の接地点は、寝たり切れたりでいちいちウロウロ動くのですが、全体的に、荷重をかけると直進側に戻るモーメントを発生する構造になっているのかもしれません。(接地点の移動量は、前輪の断面プロファイルにも大きく依存するので、文献でよく見る平面的なベクトル図などで説明するのは、やはり難しそうに思いますが。)

その2
バイクの前輪は、単純に、車体が進む方向を向きたがります。前輪になったつもりで考えてみますと、ブレーキングの時というのは、突進している車体を必死に支えている状態なので、切れ角としては進行方向を向きたがるでしょう。荷重の許容量は有限ですから、「止めるのに精一杯」だとすると、曲がらせる方に割く余裕はなくなる方向に行ってしまっている、とも言えるでしょう。

とまあ、こんな感じなのですが。
正直、自分でも、あまり的を得ていない気がします。

と言いますのは、実際に乗っている感覚からすると、バイクが寝る時の説明として、「逆操舵 → アウト側へのCf → 遠心力で寝る」というのは、ちょっと違うように思うのです。

極端な例ですが、ハンドルをアウト側にコジって車体を動かすというのは、緊急時に「イッパツ避ける」ような瞬間には使うものの、普通のコーナリングアプローチでは、どちらかと言うと避ける手です。

前輪のトラクションで車体全体をロールさせるというのは、前輪にかなりの負担をかけるので、安全マージンを減らしてしまう意味で避けるべき行為ですし、単純に、ハンドルをアウト側に切れば、車体はなんぼかはアウト側に向いてしまうので、向き変えの効率も落ちてしまいます。

原理的には、乗り手がハングオフして、重心が静的にずれてさえいれば、バイクは傾きます。

スタティックに重心をずらしておきながら、ブレーキングのトラクションで動的にバンキングを止めておいて、コーナーの曲率に合わせて、ブレーキをリリースしながらバンク角をコントロールする、というのが、感覚的には一番合っている説明な気がします。

つまり、「ブレーキをリリースしていくとバイクが寝ていく物理的な理由がある」のではなくて、乗り手の方が、ブレーキを放しながら曲げる操作を(無意識に?)しているだけかもしれないと、そういうこともあるのかなと。

どうですかね。
よけい混乱してしまったようでしたら、ごめんなさい。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://mcbooks.asablo.jp/blog/2016/06/19/8114951/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。