読書ログ 「大人げない大人になれ」 ― 2012/11/10 06:28
題名の通り、「皆もっと破天荒になるべき」という著者の考えを述べた本だ。
いかに世間で成功するか、といった実務的な目的だけでなく、もっと本来的な意味、人間は一人一人違うのだから、既存の規範にただおもねるには無理がある、だから、自分でも「はみ出ること」を許容しないと、いろいろ楽しくありませんよ、といったようなことを述べている。
まあ私の場合、既にかなり大人げない、まっすぐな人物なので。(マジかョ。笑) 特に真新しいこともなく、フンフンと納得ずくで読み飛ばせてしまったのだが。
著者は、(まだソフトが面白かった頃の)日本マイクロソフトの社長も勤めた人物で、確かにデキる有能なお方ではあるのだが、世代として、まだ良かった頃だったかと思う。(世間様がまだユルくて好き勝手もやれたし、仕事もあって金銭的にも恵まれていた、という意味で。)
しかし、今も 書評サイト(HONZ) を運営したりしていて、確かに、既存の枠内で鬱屈してしまうタイプではなさそうだ。
その書評サイトだが、私もよく覗いて参考にしている。「稼げる書評」というのは、まず本の内容を羅列して、著者の背景など付属の情報を少々付け足し、あとはレポーターの個人的な興味を、読者の食指ををそそる断面で散りばめて、「あとは読んでのお楽しみ」というパターンらしい。
まあ、本ブログの目的は、稼ぐことではなく、意見することにあるので。(うそ、ただの備忘録。)そういった、勝ちパターン(?)を踏襲することはない。ただ、好き勝手を書くだけだ。
本書に戻るが、最近の人々が大人しく丸まりがちなのは、本人がそれを欲しているからではなく、むしろ、それを強要する世間の方に原因があるように思う。コンプライアンスなどと、妙に横文字なんかを当てはめて、もっともらしく偽装する一方、実効性より「相手の足を引っ張ること」を目的に、「常識」が悪用?される例が増えているようにも見受けられる。
多分、頭のいい著者のことなので、その辺は百も承知だろう。
その上で、こんなものを書いて出すということは・・・?。
どうも、「何か企んでいる感」が漂う読後感だった。
(という意味で、少々考え込まされた。)
Amazonはこちら
大人げない大人になれ!
(古本が安いね。それに、もうすぐ文庫も出るんだ・・。)
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://mcbooks.asablo.jp/blog/2012/11/10/6629341/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。