’00年代のバイクの本 バイク知りたいこと辞典!?2015/09/13 07:39

2004年7月刊


年代別バイク本シリーズも終盤である。

題名通り、バイクに関するあれこれが、章別に分かれてまとまっている。
用語、ライテク、メンテ、トラブルシューティング、購入/車検・・・。

本当に、バイクに関して一通りのことが詰め込まれていて、辞書的に使えて便利だ。索引も充実している。

ただ、記述の濃さも「一通り」なので、所々、少々物足りない。実践しようと思ったら、もっと詳しい情報が要るだろう。そこは別途に違う本でも参照して、ということか。入り口として便利、と。

さすがに私は知ったことばかりで、熟読する気にはならなかったから、間違いがあるのかとか詳細はわからないのだが。ちゃんと真面目には書いてあるようだ。

ページをめくるうち、全然別のところで感心し始めた。

本というのは、著者という一人の人間が、思いや考えをまとめる形が多かったと思う。(以前、いきなりはまった コレ とか。) 著者のカラーが本の面白さを決めていたし、読みどころもその辺だった。

でも、この頃になると、そういった、何かを伝えたいという著者の欲求から始まる本というのはめっきり減って、代わりに、一見その手の本なのに、実は商売っ気丸出し、という手合いが多くなる。著者と会話と言うよりも、お客様として営業の話を聞いているような読み応えに変るのだ。実質的に、広告になったということだ。

そうではない、知識を仕入れる目的の本は、本書のように、項目を読者が自分で選ぶ形になっている。

自分で進めることができて自由といえばそうなのだが、どこまで行っても自己流で、検証もできないから間違っても気付かない。かつての、先達の知恵を聞くというアプローチではなくて、初めから自分でやりなおすことでもあるから、効率もよくない。散発的な情報に従って、各々が各個に動くという状況は、昨今のネット社会に近くなってきたのかな、とも感じる。

2000年台のバイク本を俯瞰すると、
 免許取得/ツーリング/ライディング/メンテなどの「ガイド本」
 メーカーラインナップ/モデルヒストリーなんかの「カタログ本」
 任意の筆者による、ツーリング関連の随筆
 インプレという名の広告
以上に分かれるようだ。

皆さんが、自分でパラッとめくって、いいなと思ったら、消費すればいい。
それだけだ。
特に私が取り上げて、内容を云々する必要はないように感じた。

よって、今回で「年代別にバイク本をナメる」シリーズは終りにする。

あっ、本書だが。
一冊あったら便利だとは思うので。(こっそりと)基礎からはじめようと思っている方なんかにはオススメだ。


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