「私」は脳ではない ― 2020/07/11 06:15
著者は、マルケス・ガブリエルというドイツの若手哲学者だ。最近流行り(?)で、沢山著書があり、結構売れてるようだ。NHK教育の特番でも見かけた。
内容は、主に「意識」について、それがどういう概念で、これまで人々にどう捉われてきたか、現在どう考えられているのか、巷の情報と自分の意見を織り交ぜてつづったものだ。題名のように、精神について科学的に考察する際に、主に脳科学という「物理」で全て解決できるとしがちな昨今のトレンドに反論しつつ、その主流を「哲学」に取り戻さんという著者の意図が背骨になっている。
まあ、物欲に偏ってバカになってるのは、USに続き著者の地元の西欧も同じで、何とかせにゃ→こう考えれば解決できる!という、ある意味、無垢な情熱が、優れた頭脳の中で渦巻いているのは垣間見れたが。そういうピークをとっくに過ぎたオサーンが読むとなると、なんか昔どっかで聞いたような、既視感の断片が走馬灯ライクに流れるのみで。大した読後感は得られなかった。
ただ、著者は大変に真面目な人だ。そこははっきり感じられたし、安心して読んでいられた。
最近、真面目な本は少ないから、私の方も、もっと真面目に著書を選べば良かったのかもしれない。
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「私」は脳ではない
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