◆ (単行本) サルと哲学者:哲学について進化学はどう答えるか ― 2024/03/24 12:27
無論、サルと哲学者の問答を想定した本ではない。
実質は副題に近く、哲学の解釈に対して、生物学的な進化の視点を取り入れた場合、どのように解釈されうるかを論じている。
この所、人類のグローバルな歴史の推移に対して、地政学や気候変動など、新たな視点を取り入れて解釈し直す書籍が人気だが(例えば、 こちら のような)、それと似たアプローチと言えると思う。
ギリシアから始まる古今東西の哲学諸派を、広く取り上げている。ある程度は時系列にも配慮されているので、哲学史の流れを語る趣でもあることも相まって、哲学の全体像の理解が深められる。
お話が進むに従って、進化論云々の色合いが薄まって行くのはご愛敬なのだが、進化論以外の科学的所見も視野に入って来るので、読み物としての面白みは薄れない。
終章に近くは、世界情勢的なグローバルな動きに哲学がどう影響したのかのおまとめと共に、将来的にどう影響しそうか、つまり本書のように新しい要因を加味した今後の哲学の動きについても触れている。
総じて、哲学界全体の動向を広範にまとめた本と言える。記述はフランクで難解さはほとんどないという、哲学書としては誠に稀有な存在だ。なかなかに得難いタイプの読書体験をさせていただいた。
万人におススメできる本と思う。
Amazonはこちら
サルと哲学者:哲学について進化学はどう答えるか 単行本(ソフトカバー) – 2023/12/14
この所、人類のグローバルな歴史の推移に対して、地政学や気候変動など、新たな視点を取り入れて解釈し直す書籍が人気だが(例えば、 こちら のような)、それと似たアプローチと言えると思う。
ギリシアから始まる古今東西の哲学諸派を、広く取り上げている。ある程度は時系列にも配慮されているので、哲学史の流れを語る趣でもあることも相まって、哲学の全体像の理解が深められる。
お話が進むに従って、進化論云々の色合いが薄まって行くのはご愛敬なのだが、進化論以外の科学的所見も視野に入って来るので、読み物としての面白みは薄れない。
終章に近くは、世界情勢的なグローバルな動きに哲学がどう影響したのかのおまとめと共に、将来的にどう影響しそうか、つまり本書のように新しい要因を加味した今後の哲学の動きについても触れている。
総じて、哲学界全体の動向を広範にまとめた本と言える。記述はフランクで難解さはほとんどないという、哲学書としては誠に稀有な存在だ。なかなかに得難いタイプの読書体験をさせていただいた。
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