読書ログ 「クルマ 3分間小説×89篇」 ― 2013/03/16 16:47
先週、 「バイク」 という読み物を取り上げたが。
「クルマ」という題名の文庫も見つけたので。試しに読んでみた。
女性の作家さんが書く、クルマにまつわる短編小説集だ。週刊誌の連載を、文庫化したものだそうだ。
短編といっても、各話が文庫の2ページ程度なので、かなりの短かさである。
クルマの話ではなくて、クルマにまつわる人の話だ。
作家さんのカラーなのか、都会臭プンプン、かつちょっと、エッチ風味だ。
こんなクルマに乗ってるのはこんな人。
で、きっと、周りに展開されるお話は、こんな感じ。
2005年の刊行だが、まるでバブルの頃の読み物だった。
クルマが、デートの道具なんかとして、光っていた時代。
若い人には分からないかも知れないんだけど、昔々、「どのクルマを買うかで人物を演出する」のような、妙な文化があったのだよ。
今はもう、ほとんど廃れちゃったけどね。
だって、
フェラーリに乗っている人が、クルマのように艶やかかとは、全く関係がない。
86に乗る人が、最新型のスポーツタイプとは限らない。
そんなの、当たり前だ。
むしろ、持ち物で自分を演出なんて、その考え方自体が、カッコ悪い。
今や「合コンでクルマの話なんて。キモすぎよ」、と。
クルマなんて、必要十分の機能があればいい。
だから、軽自動車が売れている。
そういうご時勢だ。
「エッチ風味」の方も同じだ。
うら若き女性が、自分の恥部をあけすけに書くのがイケていた時代は、ボディコンと一緒に、とっくに終わった。
今やそんな話は、オバサンの下衆な井戸端話のように聞こえてしまう。
そう思って、見回してみれば、
日本は既に、プリウスに乗る自称ミドルアッパーなんかが渋滞している、押しなべて、妙に当たり障りの無い国になったようにも思える。
豊かなはず、なんだがなあ・・・。
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クルマ―3分間小説×89篇 (中公文庫)
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