読書ログ 生まれた時からアルデンテ ― 2014/08/09 06:14
これまた、図書館で題名借りした。
アルデンテ?。何でしょうね。
私ったら、生まれた時からコシがある子だった?
キミという料理は生まれた時からおいしい絶頂に作られているね?
著者は若い女性で、食べ物に関してあれこれと、写真やイラストを入れたりしながら書いている。
何をしている人なんだろう、偉いシェフにインタビューなんかもしているようだ。
「料理を書く」といっても外食系の人で、自分で料理をして云々する方向ではない。あの店のアレを食べたらこんな感じ、というのが大半だ。後は少し、食べ物で遊んだりしている。
とはいえ、ただの「外食べログ」とは毛色が違う。その筆致というか、単語は料理とは無関係そうなものが多くて、しかも、それが並んだ様は、普通の日本語とは、ちと違う。
ナンか外れているというか、少々ブッ飛び遊ばしている。
いや、イマドキの若い人の書き口としては、珍しくないのかもしれないが。
人気のブロガーだったりもするようなので。
いわく、
わかりやすい敵を作って
反発するのは
全然かっこいいことと思わないけど
それでもやっぱり
パンケーキよりははんぺんだし、
フレンチトーストよりは厚揚げだと思う
どこにどんな店があって、どんな風評か。一流レストランから庶民のお菓子まで、その手の情報には、ものすごくさとくて。労を惜しまず、遠方まで、確かめにも行く。しかし、いざ自分で味わう段になると、そんなものは全て忘れて、自分の舌に集中する。どころか、ほぼ口腔だけの生き物と化す。
本当に、食べることが好きなようだ。
自分が食べてどんな感じか、それが好きで楽しくて、それ以外のことはどうでもいいと。
だから、巷の情報は、ただの、きっかけ。
そうやって、あれこれ食べて、著者に残るのは、感覚の記憶。
味は、食べたその時の一瞬だし、食べ物は、消化してなくなってしまう。
そも、儚いのだ。
しかし、考えてみると、人生の粗方ってみんな、そんなもんだ。
日々の暮らしで我々を生かしているのは、うれしい、楽しいと思った、その感覚の記憶なのだ。
と、著者は言っているようだし、
私もそれには賛成する。
夏のボケた頭には、肩の凝らない食べ物ポエムもいいかもしれない。
でもね。
私は半分で飽きた。
週1回のブログのように、たまに読むなら楽しめるのかもしれないが。
1冊の本にまとまった量を通読となると厳しい。
何だか最近、そういう本が増えたような 気がする 。
パッと見のアピールが良さげだったり、書評などでも好評なものに多い気も。
ネット時代の本の作り方・売り方、ということなのだろうか。
LINEのブツ切り会話を、そのまま出版するような暴挙は、御免被りたいがね。
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生まれた時からアルデンテ
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